10秒で仕上げる英文メールの書き出し 会議の要点・フォロー編

仕事で英文メールを書かないといけないという人は多いだろう。本題にさっと入りたいのだが、書き出しで苦戦をしている人は意外に多いのではないか。書き出しの言い回しをググっているうちに、10分〜15分時間を使ってしまったという経験は誰にでもあるだろう。だが、「英文メールの書き出し」というのは難しいことではない。シーンごとに鉄板の型があるため、その型さえ覚えてしまえば書き出しは10秒ですますことができる。

私は現在アメリカに住み、7年以上アメリカの現地企業で仕事をしている。最近は書き出しで時間をかけることはまずない。同僚のアメリカ人が送付したメールから使えそうな鉄板の言い回しを抜粋してストックしているからだ。この「10秒で仕上げる英文メールの書き出し」シリーズでは、私の使っている鉄板表現をシーンごとに紹介し、読者の英文メールを書く時間の大幅な削減をお手伝いしたい。

会議の要点をまとめ、フォローする

外資系企業に勤める方の中には、本社の人間と夜遅くによく電話会議をしているという人は多いだろう。「日中の激務にプラスして、週に何度か夜の電話会議があってつらい」、というのは私も日本法人で働いていた時はそうだったのでよく分かる。「折角、夜電話をして、向こうに宿題を作ったはずなのに、いつまでたっても進捗がない」、というのは外資系企業あるあるだ。特にアメリカ人は、「プッシュがないということは優先順位が低いに違いない」と考えるので、会議後に特に重要なポイントについて、要点をまとめてフォローをするというのはとても重要だ。今回は、そういったメールの書き出しとして、以下の3つを紹介したい。

  • Per my comments on the call (電話会議でコメントした通り)
  • As we discussed in the meeting(先日の会議で話し合った通り)
  • Here are a few points we discussed on today’s call(本日の会議での検討事項を以下の通りまとめます)

それでは、以下例文付きでそれぞれの言い回しを解説していきたい。

Per my comments on the call (電話会議でコメントした通り)

<例文>
Per my comments on the call this morning, we are still working to get final sign-off of the CY21 incentive plan.
今朝の会議でコメントした通り、21年度のインセンティブプランの最終承認をえるべく、現在鋭意対応中です。

「今回の会議でこれだけは相手ときちんと合意形成したい」、という要点を会議前にまとめておくことは大事だ。そして、その内容を会議で確認した上で、さらにダメ押しでメールで確認するというのも同じくらい大切なことだ。残念ながらわれわれ日本人は手数ではネイティブに勝つことはできない。なので、渾身の一発を相手に打ち込むための準備を怠ってはならない。そんなメールの書き出しで、便利なのが“Per my comments on the call”だ。

英語での議論というのは、日本人にとってはまとめるのが日本語と比較して当然難しい。こちらが強調したつもりでも、他の発言の中に容易に埋もれがちだ。なので、「自分が言った通り」と自分が最も強調したかったことを、ズバッとまとめることはとても大事だ。この”Per”というのは、色々応用が効いて、非常に使い勝手が良い。以下、いくつか用例を紹介するのであわせて参考にして頂きたい。

  • Per our email exchange yesterday(昨日からのメールのやり取りの通り)
  • Per my conversation with Dave(デイブとの話し合いに基づいて)
  • Per my earlier message below(私の方から下記の通り送らせて頂いた通り)

As we discussed in the meeting(先日の会議で話し合った通り)

As we discussed in the working session this Wednesday, please ensure your details are captured in the attached file.
今週の水曜日の検討会で話し合った通り、添付ファイルに記載された内容について詳細を確認頂くようお願い致します。

会議で話し合った内容を確認する上で、“As we discussed in”というのは鉄板の表現だ。メールの書き出しとしても自然だし、そのまま確認したい内容に直行できるのが特徴だ。会議の中での煮詰まり度合いが弱かった内容であっても、会議の後に確認とダメ押しを送ることはとても大事なので活用頂きたい。

この“As we discussed”の後に、会議や時間を状況を記載すると、ビジネス英語で色々応用が効く表現だ。以下に、いくつか派生系を紹介するので、参考にして頂きたい。

  • As we discussed on our team call today, (本日の部内会議で話した通り)
  • As we discussed in a previous email, (先般のメールでやり取りさせて頂いた通り)
  • As we discussed before, (前に話し合った通り)

Here are a few points we discussed on today’s call(本日の会議での検討事項を以下の通りまとめます)

<例文>
Here are a few points we discussed on today’s call. If you missed the call, you may want to listen to the reply for more words and context.
本日の会議での検討事項を以下の通りまとめます。もし、本日の会議に参加できなかった方は、会議のレコードを聞くようにしてください。より詳細な背景、並びに説明を確認することができます。

会議の要点を箇条書きするのは難しくないが、そこにいたる便利な導入の表現を知りたい、という方には、“Here are a few point we discussed”はおすすめの表現だ。相手に念押しをしたいことが複数ある場合は、使い勝手のよい表現だ。この書き出しから開始をして、こちらが強調したい内容を箇条書きして行けばよい。

この”a few points”は、文中に箇条書きを挟む場合でも使い勝手が良くて重宝する。いくつか他の例を以下に紹介するので活用頂きたい。

  • This is a tricky question. Let’s start thinking with a basic analysis on a few points;
    これは一筋縄ではいかない問いだと思います。まずは、下記のような基本的な分析から考え初めてみましょう。
  • I think we are in a good place with the adjustments we made to our H1 quotas. There are a few points I wanted to get clarity on;
    上半期のゴールの調整については、順調な進捗をみせていると思います。さらに進めるうえで、下記のいくつかの点について確認をしたいと思います。
  • Really appreciate the hard work you and the rest of the team are putting into this very critical activity. A few points / thoughts below;
    この最重要案件について、チーム全体で多大な貢献を頂いたことにとても感謝しています。とりまとめてもらった内容について、いくつか私の考えを下記の通り共有させて頂きます。

まとめ

メールの背景や目的を説明する、英文メールの書き出しとして以下の3つの表現を紹介してきた。どれも、使い勝手の良い表現なので、是非参考にして頂いて、英文メールを書く時間の短縮に役立てて頂きたい。

  • Per my comments on the call (電話会議でコメントした通り)
  • As we discussed in the meeting(先日の会議で話し合った通り)
  • Here are a few points we discussed on today’s call(本日の会議での検討事項を以下の通りまとめます)

なお、例文の殆どは私が実際にアメリカ人から受信したメールからの抜粋だ。私はIT企業のファイナンスやセールスオペレーションでの経験が長いので、同じ職種の方は、ほぼ丸パクリできるケースもあると思うので、お役に立てれば幸いである。

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